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​第7回発電実験

 -分量橋公園の堰から落下する流水を捉えた!-

2021年5月26日、小水力発電実験は7回目を数えることになりました。とうとう大丸用水分量橋の堰から落下する水を抗力羽根(実は雨樋なんですが)ががっちり捉え、水車は震えんばかりに回転し、HR160発電機は512~551rpmを記録しました。堰の落水を捉えた水車が回転する様子を示しますのでご覧ください。なお、このとき見学いただいた稲城市役所経済課農政係主事からの情報によれば、大丸用水ゲート開度は、この日、第1ゲート5.82°、第2ゲート5.46°、とのことでした。

高さ50㎝ほどの堰なのですが、90㎝の水車羽根が落水を捉えると、水車が下流に強力に押されるので、二人で筐体の両側を堰に向かって押し付けます。

水車プーリ(45㎝Φ)の回転を発電機プーリ(7㎝Φ)に伝えるゴムのベルトの熱溶着部分が外れてしまいました。さらにトルク測定のために水車プーリにばねばかりを付け、水車の回転を止めるように計量を数回行ったところ、水車シャフトのビス穴にビスがしっかり入っておらず、水車が連れ回りしてしまいました。シャフトのビス穴にビスをしっかり止めてトルクを測定したところ、トルクによってビスがシャフトに食い込んでしまい、ビスがシャフトホルダから抜けなくなってしまいました。黒崎工房の手作り水車の構造を示しましたので、どうぞご覧ください。

抗力型4号機7th実験.jpg

それでも、この時のトルク測定では、最大3.6㎏f・mを観測しました。水車の回転を目視で測ると、100~110rpmでありました。するとこの水車の電気におきかえた出力は、3.6㎏f・m×9.8m/秒2乗×2π×100rpm/60=370Wとなります。

この発電機に接続した充放電制御機WP150によれば、発電機の回転数は512~551rpmとなっておりました。6増速比であることを考慮すると、相当に水車の連れ回りやベルトの滑りによりロスをしていたと思われます。また、WP150の出力表示は26~33W、出力電圧70~75Vでしたので、出力電流は370~440mAとなります。この値は、HR160の定格(500rpm、120Ω負荷時、100W出力、あるいは900mA出力電流)と比較すると、相当小さな値ですので、負荷のかけ方、種類を変えることでさらに有効に発電機の能力を引き出すことができると思います。HR160の仕様は次を参照ください。

-稲城市経済課農政係と大丸用水土地改良区の協力をいただきました!
通常、この公園内の堰のある部分には入ることはできませんが、稲城市経済観光課農政係のご協力で、発電実験の最中のみ、用水路に侵入し、水車を持ち込むことをご許可いただきました。
また、実験に先立ち、5月24日、農政係の調整のもと、大丸用水土地改良区理事長、副理事長、そのほか6名の理事の方々と初めてお目にかかることができ、iGPの活動目的や小水力発電の方法などを紹介することができました。その結果、ゴミによる水路閉塞が発生しないように注意して、大丸用水での実験を実施することを了解いただきました。さらには、土地改良区では用水路の本格清掃を中断しているが、再開を予定しているとのこと。さっそく当iGPでも協力して清掃活動に参加する旨約しました。

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この実験は、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けて行われました。

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